【山寺一人旅】まるで修行!1,015段の石段と向き合う、心を整える週末リトリート|アクセス・所要時間・見どころガイド

観光スポット

はじめに|静けさに会いに、一人で山寺へ

週末、ふと仙台駅から電車で行くことが出来る「お手軽に非日常を感じる場所に行きたい」と思い、山形県の山寺(立石寺)へ一人旅に出かけました。

1,000段を超える石段を登りながら、自然と心が整っていくような、不思議な体験。

この記事では、実際に訪れた感想とともに、アクセス方法・所要時間・見どころなどをまとめてご紹介します。


山寺(立石寺)とは?|松尾芭蕉ゆかりの“心の修行の道”

山形県にある山寺は、天台宗の古刹で、平安時代・貞観2年(860年)に僧・慈覚大師(円仁)によって開山されました 。

正式名称は「宝珠山 立石寺」で、“山寺”の愛称で親しまれています 。

この地は、俳聖松尾芭蕉が晩夏に訪れたことで広く知られ、あの名句「閑さや 岩にしみ入る 蝉の声」を詠んだ場所としても有名です 。

芭蕉が記した通り、蝉の声が岩に染み入るような静謐で禅的な空気が今なお漂っています。

参道に刻まれた1,015段の石段を一歩ずつ登ることで、“雑念を削ぎ落とす”ような感覚を得られる…それが山寺の大きな魅力の一つ。

登ること自体が心の修行となる場であり、訪れた人々の心が自然と整えられる、そんな“体験的霊場”なのです。


アクセス方法

電車で行く場合

最寄駅:JR山寺駅(仙山線)

  • 仙台駅から:約1時間(仙山線で直通)
  • 山形駅から:約20分(仙山線で直通)
  • 山寺駅から山寺の登り口までは徒歩5分ほど
  • 山寺駅はSuicaで乗り降りすることが出来ます。

土曜日の仙台発7:14 → 山寺着8:19(所要約65分)の仙山線で山寺に向かいます。

乗り込んだ直後は車内が空いていたものの、愛子駅を過ぎ、山形に近づくにつれて徐々に乗客が増えていきました 。

仙山線は仙台から山寺に向けて、ゆるやかに山道へと入っていく路線です。

車窓には、新緑や山間の渓谷、川沿いの景色が続き、まるで小さな旅の序章を感じさせる風景が広がります。

その日は、5時台に起きて仙台駅に向かったため、電車の中ではうとうと眠ってしまいました。

山寺駅にはロッカーもあるので、大きな荷物がある方はこちら利用するのがおすすめです。

車で行く場合

  • 仙台駅から:約1時間15分
  • 山形駅から:約35分

仙台発の場合は国道48号〜13号〜県道19号線を経由し、小さな山間の町を抜けるルートが静かなドライブになります。

山形からのアクセスはよりシンプルで、スムーズに山寺の入口へ到着できます。

駐車場は駅周辺に多く、500円程度の一時利用がほとんどなので、ハイキングスタートの準備も気楽です。


見どころ紹介|石段を登るごとに出会う、心の景色たち

山寺(立石寺)の魅力は、ただ1,015段を登ることではなく、その道中で出会う風景や空気感にあります。
ここでは私が実際に歩いた順に、印象に残った見どころを詳しくご紹介します。

根本中堂

山寺のシンボルとも言える根本中堂は、中腹の石段を登り切ってすぐに出迎えてくれる、重要文化財にして歴史を宿す建築です。

1356年に再建され、一木造の薬師如来や比叡山延寺より分けられた「不滅の法灯」が今も燃え続けています。

お賽銭箱の上には参拝者に撫でられてツルツルになった布袋様がいらっしゃいましたので、私も撫で撫でさせていただきました。

山門

鎌倉時代に建立された門で、こちらで拝観料を支払って、奥の院までの登山が始まります。

姥堂

山寺の石段を上る途中にある小さなお堂、それが姥堂(うばどう)です。

境内では「浄土口」と呼ばれ、ここから上が“極楽”、下が“地獄”とされる、人生の境界を象徴する重要なスポットです。

堂内には、三途の川で亡者から衣を奪う存在として知られる奪衣婆(だつえば)の石像が祀られています。

苔むした石段と杉林

序盤〜中腹までは、高くそびえる杉の木と苔に覆われた石段が続きます。

小鳥のさえずりと、自分の足音だけが響く空間です。

せみ塚

せみ塚は松尾芭蕉が詠んだ「閑さや 岩にしみ入る 蝉の声」の句碑がある場所です。

夏は本当に蝉の声しか聞こえず、言葉の世界に引き込まれます。

仁王門(におうもん)

1848年に再建されたけやき材の優美な門で、左右に安置された仁王尊像は運慶の弟子たちの作と言われ、邪心を持つ人は登ってはいけないと睨みつけています。

後方の閻魔大王がこの門を通る人たちの過去の行いを記録しています。

この門を通り抜ければ奥の院まではもう少しです。

中性院

山寺(立石寺)の石段を登る中腹、奥の院へ向かう手前にひっそりとたたずむのが中性院です。

江戸時代まで12の塔中支院が並ぶ中、現在も残る4つのうちのひとつで、阿弥陀如来坐像を本尊とするお堂です。

本尊に加え、なでると病気平癒・長寿を願えると言われる「おびんずる様」が人気です。

中性院の近くにはお手洗いもあるので、万が一の場合でも安心です!

奥の院(大仏殿)

山寺の1,015段の石段を登り切ると、そこにはふたつのお堂、奥の院(如法堂)と金色に輝く大仏殿が静かに並んでいました。

奥の院には慈覚大師が伝えた釈迦如来・多宝如来像が祀られ、大仏殿には高さ約5mの阿弥陀如来像が鎮座し、先祖への祈りと地域信仰の深さを感じさせてくれました。

奥の院にある「大灯籠」は、明治28年(1895年)に鋳物師・小野田才助が制作した青銅製の大燈籠で、龍や宝珠の精巧な装飾を持ち、日本三大灯籠のひとつとされる荘厳な存在です。

五大堂(ごだいどう)

五大堂に行くために「開山堂・納経堂」を抜けて行きます。

すると目の前に忽然と現れるのが断崖にせり出す五大堂

舞台のように設計されたその構造は、目の前に広がる山形の里山を一望させ、自然と心がほどけていく場所。

山寺駅にちょうど仙台と山形に向かう2つの電車が到着していました。

まるでジブリアニメに出てきそうな景色が広がっているので、ぼーっと眺めているだけでも懐かしい気持ちになり癒やされます。

私は夏に訪れましたが、春の新緑、秋の紅葉、冬の雪景色と、四季折々に移ろう景色はまるで自然の絵画のようです。

五大明王が祀られた平和の道場であり、山寺を象徴する“天空の祈り場”とも言えるスポットです。


山寺でハガキを書くひととき

中性院への石段を登る途中、ふと立ち寄った売店で見つけたのは、山寺の風景写真のハガキ。

幼稚園の頃、お母さんと一緒にこの石段を登った記憶がふっと蘇ったので「そうだ、実家に近況を伝えよう」と思い立ち、その場でハガキに気持ちを書き留めることに。

文面は、「来月は帰省するよ」といった事務的なお知らせを混ぜながら(笑)

さらに驚いたのは、ポストが中性院のすぐ近くに設置されていたこと。

毎日、この山の上まで郵便局員さんが取りに来てくれると思うと、その小さな”ハガキ”がいっそう特別に思えてきます。


💰 参拝時間・拝観料

参拝時間

  • 4-11月:8時〜16時(閉門時間17時)
  • 12-3時:8時30分〜15時(閉門時間16時)

拝観料

  • 大人(中学生以上):500円
  • 小人(4歳以上): 200円

拝観料は、山門をくぐる前に支払いします。

支払いは現金のみなので、事前に準備しておくのがおすすめです。


所要時間とおすすめの時間帯|どのくらいで登れる?体力は必要?どの時間帯に行くのがベスト?

  • 登り:約20分(休憩しながらゆっくり)
  • 下り:約10分
  • 見学含めて所要時間:約90分〜2時間
  • おすすめの時間帯:朝イチ

朝イチの人が少ない時間帯に登ると、石段を登りながら自分と静かに向き合えるような、贅沢な時間になります。混雑を避けて心を整えながら、自然なペースで歩くのがおすすめです。

途中でこまめに休憩を挟みながら登れば、40代でも無理なく登り切れる難易度です。

初心者でも焦らずゆっくり進めば、むしろ足取りが軽く、私は登る間ほとんど無心でした。

訪れた日は気温が30℃を超える真夏日でしたが、参拝開始直後の早朝に登り始めたため、最初は涼しく快適でしたただし、中性院付近まで来た頃には結構汗がダクダクでした…

もし日中に登っていたら、もっと暑さにやられていたかもしれません。


山寺一人旅行く際のおすすめの持ち物リスト

  • スニーカー or 滑りにくい靴(軽登山靴)
     石段+苔で滑りやすい箇所も多いため、グリップ力のある靴が◎。
  • 汗拭きタオル・虫よけスプレー
     夏は蒸し暑く、小さな虫も出やすいので、登山中の快適さと清潔感のためにマストです。
  • 飲み物(水・お茶など)
     頂上付近にも自販機がありますが、価格がやや高いため、ある程度持参しておくと安心です。
  • 現金
     入場料など現金のみ対応です。

私は飲み物を事前に準備するのを忘れてしまったため、奥の院の手前の売店で少し割高でしたがイオンウォーターを購入しました。

夏は絶対に飲み物必須です!!


まとめ|気軽に非日常を体験できる場所

1,015段の石段をひとつひとつ登るたびに、心のざわつきがゆっくりと消えていくような、不思議な感覚に包まれる山寺。

奥の院近くの売店で見つけたハガキ、一言一言をペンで綴ることで、自分自身と静かに向き合う時間が生まれました。

山寺には、大勢が集う賑やかな観光地とは違う、“余白のある旅”の時間が確かに存在します。

そこでは、ふと立ち止まること、深呼吸すること、誰にも見せず家族にハガキを書くことさえ、すべて自然と受け入れられるのです。

もしあなたが「ちょっと疲れたな」「心を整えたいな」と思ったら、仙台駅や山形駅から電車でアクセスできる山寺へ足を運んでみてください。

ひとりでいることが特別な時間になる、そんな“私だけの旅”が、ここには待っています。

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